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(週刊ポスト 2005年 2/11号の記事より)

nascent market 「生まれたての市場」

<欧米のメディアより> 英『フィナンシャル・タイムズ』紙(2005年1月4日付)
Several large companies have dipped their toes into this nascent market.
(大企業の中には、この生まれたての市場に足を踏み入れたところもある)  

インターネット上で更新される日記風個人ホームぺージ“blog”(ブログ)についてはこの欄でも何度か紹介しているが、今年はさらに大きな影響力を持つメディアとして注目を集めそうだ。
英『フィナンシャル・タイムズ』紙は、“Niche appeal of the blogging business”(ブログ・ビジネスはすき間市場にアピール)という記事の冒頭でこう書く。

“For anyone interested in technology, US politics or the media , 2004 was the year of the blog.”
(ハイテクやアメリカの政治・メディアに関心を持つ人にとって、2004年は「ブログの年」であった)

ブログが特に注目されたのは、昨秋の米大統領選の前後。虚偽報道でCBSテレビの名物キャスター、ダン・ラザー氏が降板した件でも、放送内容のずさんさを最初に指摘したのはブログだった。この流れに、世界的に有名な辞書「ウェブスター」は、ブログを04年の“word of the year”(その年を代表する言葉)に選んだほどだ。
同記事には、“political blogger”(政治ブログ作成者)なる肩書も登場している。「政治評論家」や「経済評論家」等と同じように、“political blogger”という肩書がすでに欧米メディアでは市民権を得ていることに驚くが、その一人、アンドリュー・サリバン氏は、ブログの利点は読者と直接コンタクトできること、そして記事内容に“amazing freedom”(驚くほどの自由)があることだと主張する。ブログは個人の考えがそのまま掲載されるため、過激で極端な意見に偏りがちだ。しかしそれゆえに、既存メディアに飽きている多くの人を魅了している。
これに目をつけたのが広告会社で、そのひとつ、BlogAdsはブログ内に広告スペースを設けるビジネスを展開。有名ブログでは、1週間に2200ドル(約22万円)もの広告料を設定しているという。昨年、前年比100倍もの売り上げを記録した同社はこんな宣伝文句をうたっている。

 “You need to impress 100,000 opinion makers・・・ not pester 100,000,000 nobodies.”
 (必要なのは10万人のオピニオンリーダーに強い印象を与えることであって、1億人のただの人に広告を押しつけることではない)

ブログ広告の魅力は、その中心的読者とされる「30代で、裕福で、高い教育水準を誇る層」に対してピンポイントで宣伝広告を出せる点にある。“very specific niche”(非常に限定されたすき間)をねらった効率的な戦略で、すでに映画のパラマウント・ピクチャーズや放送のターナー・ブロードキャスティングなどの大企業がこの“nascent market”(生まれたての市場)に参入し、顧客の新規開拓を目指しているという。
しかし、ブログは“金のなる木”ではないという意見も多い。無数のブログのうち金銭的に成功しているのは前出のサリバン氏などほんの一握りだといい、ブログ・ビジネスに疑いの目を向ける。

“Generally blogs are great for getting you known and getting consulting work but personally I think making money off your blog is iffy.”
(一般的にブログは、自分を知ってもらったり、コンサルティングの仕事を受けるにはいいかもしれないが、個人的にはブログで設けることは、はなはだ疑問に思っている)

欧米ほどではないが、日本でもブログは急拡大している。期待と懐疑の声が渦巻く中、この“nascent market”がどう成長していくのか見守りたい。

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